Cell Stem Cell · 2026年3月 · 無作為化・プラセボ対照 · 148名
米国の Longeveron 社が開発している他家骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)「laromestrocel」について、フレイルのある高齢者148名を対象とした無作為化・プラセボ対照・用量漸増の第2b相試験の結果が、2026年3月に Cell Stem Cell 誌に掲載されました。主要評価項目である6分間歩行距離は、9か月時点でプラセボとの差が統計的に有意でした。事前に登録された評価時点である6か月時点では、有意水準に達していません。
このページは、海外を含む幹細胞研究の論文・臨床試験・報道を日本語で紹介する記事です。紹介する試験の結果は、その試験で用いられた細胞製品・投与方法・対象者に限られ、他の製品や当社がご案内する治療の効果を示すものではありません。当社は紹介する研究・製品に関与していません(関与がある場合は記事内に明記します)。このページでは治療のご案内は行っていません。
フレイルは、加齢に伴って身体の予備力が低下し、転倒や入院などの不利益が起こりやすくなる状態を指します。確立された薬物療法はありません。この試験は、健康なドナーの骨髄から培養した他家MSCを静脈内に投与し、身体機能と本人が報告する健康状態が変わるかどうかを調べたものです。
対象は歩行が可能なフレイルのある高齢者で、148名が解析されました。参加者は複数の用量群とプラセボ群に無作為に割り付けられ、投与後の6分間歩行距離の変化を主要評価項目としています。ClinicalTrials.gov の登録では、主要評価項目の評価時点は投与後180日と定められています。
抄録によると、6分間歩行距離はプラセボ群と比べて用量と時間に依存して増加しました。9か月時点の差は63.4 mで、95%信頼区間は17.1〜109.6 m、p値は0.0077でした。6か月時点の差は41.3 mで、95%信頼区間は −2.4〜84.9 m、p値は0.0635です。
歩行距離の増加は、本人が報告する身体機能スコア(PROMIS Physical Function)と相関していました。また、用量が高いほど血中の可溶性TIE2(血管の安定に関わる受容体の分解産物)が低下しており、著者らはこれを治療反応性の候補バイオマーカーとしています。
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